外国為替平衡操作
昨日発表した財務省による外国為替平衡操作の実施状況では、8月30日-9月28日における金額、つまり9月決済の介入額は2兆1,249億円(約253億ドル)でした。
日銀が市中銀行に対してドル買い・円売り実施した15日の2営業日後の17日円資金状況からは、確報ベースでの当座預金の増減は2兆400億円増加でした。
当初、介入前の財政支払い予想が5,000億円程度であったことから15日は1兆8000億円規模ではないかと言われていました。
9月15日の介入決済日の17日の財政支払いが2兆3000億円だったことを考慮ますと、15日のみの介入だけであったとしたら、“1日としては過去最大”となります。
しかしながら、小幅な介入が実施されていた公算も否定できずにいます。
日付毎の介入金額の発表は11月までまたなければなりません。
あと注目なのは、本日(1日)付け日経新聞での匿名財務省幹部の「G20会議等で日本の介入が槍玉に上がらなければいいが」という発言は重要と思います。
今のところは何とか米欧を説得して介入を黙認してもらえている状況と推察しますが、来週末に予定されている非公開のG7財務相・中銀総裁会議で、日本の介入に厳しい意見が注がれる可能性も否定できません。
さらに11月11日-12日のG20サミット(韓国開催)は中国人民元改革の話も当然出てくると思われるところから、やはり今後の大量介入は現実的でないかもしれません。
為替水準を目標水準まで押し上げて行くという、“押し上げ介入”ではなく、あくまでも現状水準、或いは市場に出てくる円買い重要を緩やかに吸収していく“スムージング・オペレーション”になる公算が高いのではと考えます。
為替介入の話
9月30日、財務省から「外国為替平衡操作状況」が公表され、8月30日から9月28日までの為替介入額は2兆1,249億円となった。
9月15日のドル円相場で1995年4月以来の円高水準となる82円台後半から85円台後半へ3円程度押し上げた主因である。
9月14日の民主党代表選で菅首相が再任された翌日(15日)に実施された円売り介入であった。
今回の介入額に対する市場の予想(1.8〜2兆円)を若干上回る水準であったことから、15日の欧米市場でも断続的に介入した額が予想よりも多かったと見られている。(実際の結果は11月前半に四半期データで確認)
そのため今回の介入額から24日のドル円相場の上昇の原因は介入でないと思われる。
この説が正しければ、24日のドル円相場の上昇は誰がドル買い・円売りしたのかということに興味がそそられる。
ただ今回の介入が日本の単独介入であり、市場規模が現在より小さかった2003年から2004年に実施された介入でも失敗していることから、市場の流れを介入で止めることは非常に難しく、今後の介入には小規模かつ短期的に終わる、もしくは今後の介入が行われない可能性もありうるのではないかと見ている。
今後の見通し
米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加金融緩和の可能性を示したことから米長期金利が低下しドル売り圧力が継続している。
米経済の成長速度が鈍化しているということである。日本の円売り介入実施や欧州の財政問題を押し退け、為替市場ではドル安基調である。
さらに29日には米下院で対中制裁法案(中国の通貨人民元を念頭に通貨安を輸出補助金とみなし相殺関税をかける法案)を可決し、人民元のさらなる上昇に圧力をかける構えを見せた。
国際通貨基金(IMF)が発表した6月時点の外貨準備統計でも米ドルや欧州ユーロに比べ、日本円の増加分が圧倒的に大きく、円高局面が続いているため今後も日本円に対する各国の外貨準備高が増加する傾向にあると思われる。
暫くはドル売りの流れが継続される反動で、円高傾向も続くと思われる。
ドルストレートのドル売り、ドル円の軟調傾向でクロス円はやや上値が重い展開が予想される。